助産師をしていて特に多い質問は「赤ちゃんが寝てくれません」というものです。
- 授乳が終わったばかりなのに泣いている
- 昼間は寝てたのに夜はずっと起きてる
- 何しても泣き止まない
こんな悩みを抱えるママはとても多いです。
しかし、実は新生児がなかなか寝てくれないことは珍しくありません。
でも、赤ちゃんが寝てくれないということはママにとって強い不安を感じると思います。
この記事では原因や対処法を解説をしていきたいと思います。
新生児が寝てくれないのは珍しくない
新生児は大人と睡眠リズムが違う
新生児はまだ昼夜の区別がついていません。
そのため昼間にたくさん寝て夜に起きていることもあります。
「夜になったら寝てくれるはず」と思っていると驚くかもしれませんが、新生児の時期には珍しいことではありません。
寝ない=育児が下手なわけではない
多くのママは、授乳が終わったらそのまま寝てくれて、3時間後に起きるというイメージをもっているかもしれません。
しかし、多くの赤ちゃんと関わってきて思うのは、そんな赤ちゃんはほとんどいないということです。そのため、育児が上手くできていないから寝てくれないということではないのです。
上手に育児ができていても、母乳が十分に出ていても、ミルクをしっかり飲めていても赤ちゃんは泣くときには泣きます。
助産師として働いていると、「私の抱っこの仕方が悪いんでしょうか」と相談されることがあります。でも、上手に育児ができていても寝ない赤ちゃんはたくさんいます。
「うちの子だけがおかしいのかな」
と思ってしまうママもいますが、赤ちゃんがなかなか寝ないことは珍しいことではありません。
まずはママ自身が「私のせいじゃないんだ」と知ってもらえたらと思います。
新生児が寝てくれない主な原因
昼夜の区別がついていない
私はよくママに「妊娠中、赤ちゃんがよく動いていた時間は何時でしたか?」と聞きます。
実はその時間帯に、今も元気に起きている赤ちゃんは少なくありません。
新生児はまだ昼夜の区別がついていないため、夜に起きていることも珍しくないのです。
お腹が空いている
赤ちゃんの胃はまだ小さく1度に多く摂取することができません。
そのため、新生児期は頻回に授乳をすることが多くなります。母乳は消化がいいため3時間以内にお腹がすいてしまうこともあります。
私たちだってしっかり食べたと思っていても夕食の前にお腹がすくこともあります。そのため、授乳したばかりなのにまた欲しがることもあります。
「さっき飲んだのに」と思うかもしれませんが、新生児では珍しいことではありません。
自分1人で食事ができない赤ちゃんは、ママに「お腹すいた」とアピールして泣いていることもあるため、頻回に授乳をする時間ができることもあります。
抱っこしてほしい
妊娠中の赤ちゃんにとって、お腹の中での生活は常にママに抱っこされている状態と言えます。
そして、子宮という筋肉でぎゅっと包まれた中で生きてきたのです。そのため、生まれた後の手足が自由に伸ばせる環境に赤ちゃんは驚いてしまい、安心感を求めて泣くこともあります。
特に口をパクパクさせて泣くため授乳かと思って母乳をあげると全然飲んでくれない、でも寝かせたら泣いてしまうという場合、ママに抱っこしてほしいサインの可能性もあります。
赤ちゃんは、安心したいというサインも同じ「泣く」という方法で教えてくれるのです。
おむつや室温が気になる
赤ちゃんは「嫌だ」と思うことがあると泣いて教えてくれます。
その1つが気持ちが悪いときです。
おむつが濡れてて気持ちが悪い、部屋が暑くて背中に汗をかいて気持ちが悪いなどママにどうにか対処してほしいと泣いて教えてくれます。
そのため、泣いたときはまずおむつや室温を確認してみましょう。
背中に汗をかいていないか、服が暑すぎないかを見直すだけでも原因が分かることがあります。
ゲップやお腹の不快感
私たちも「食べ過ぎて苦しい」ということありますよね。赤ちゃんにもあります。
お腹が張っていて苦しい、ゲップが上手く出なくて苦しい、だから泣くのです。
授乳後に寝かせると泣く場合や、体を反らせて泣く場合は、お腹が苦しいのかもしれません。
そんなときは抱っこしてゲップを出すときのように背中をとんとんとさすってあげると落ち着いてくれたりします。
お腹が苦しいときにはしばらく縦抱きで抱っこすると泣きやむこともあります。
授乳後に寝かせたら泣く、吐いた後に泣くという場合は1度試してみてください。
新生児が寝てくれないときの対処法
昼と夜の違いを少しずつ伝える
赤ちゃんに明るい昼間は起きる、夜間は寝るという生活リズムを伝えていきましょう。
昼間は赤ちゃんが寝ていても、直射日光が当たらない明るい部屋で過ごしてみましょう。
そして、夜は赤ちゃんが起きていたとしても少し薄暗い静かな部屋で授乳するなど、工夫していきましょう。そうすることで少しずつ赤ちゃんも昼と夜の違いを知っていきます。
抱っこやスキンシップを活用する
昔、すぐに赤ちゃんを抱っこするのは甘やかしている、抱っこ癖がつくと言われる時代もありました。
しかし、それは甘やかしではなく、赤ちゃんの情緒を成長させる大切なスキンシップであることが分かってきています。
赤ちゃんがママや家族を求めた時、安心させるように抱っこをしてあげましょう。
ただ、泣いたら絶対抱っこして泣きやませないといけないわけではありません。
ママが忙しいときや余裕がないときは家族にお願いして、交互に抱っこするなど役割分担しながら関わっていきましょう。
おくるみを活用する
ママのお腹にいるとき、赤ちゃんはぎゅっと軟らかい子宮に包まれて丸くなって過ごしていました。
そのため産後の自由に手足を伸ばせる環境は赤ちゃんにとって慣れない環境になります。また、赤ちゃんは反射で腕や足を動かしたりするため、それに驚いて泣いてしまうこともあります。
そんなときは、おくるみを使い、お腹の中にいた頃をイメージして丸く包んであげると安心する子もいます。
おくるみを使うときはきつくなりすぎない程度に包んであげるようにしましょう。
一人で頑張らない
赤ちゃんが泣くと「かわいそう」「周りに迷惑をかけてしまう」と感じて、なんとか泣きやませなければと思うママもいます。
しかし、赤ちゃんは泣くものなのです。毎回ママが泣きやむまで抱っこをしたり、なんで泣きやまないのか悩んでいるとママが疲れ切ってしまいます。
夜中の授乳を一人で頑張り続けているママほど、自分を追い込んでしまうことがあります。
そのため、パパや家族みんなで赤ちゃんをみてあげましょう。
「次に泣いたらパパがミルクあげる」なんて順番を決めておくのもいいです。
一人で抱え込まず、みんなで赤ちゃんを見るようにしていきましょう。
ママも一緒に休む
赤ちゃんが寝ている時間は、ママもできるだけ一緒に休みましょう。
新生児期は夜中に何度も起きることが珍しくありません。
赤ちゃんが昼間によく寝るなら一緒に昼寝をする、家族のサポートがあるときは赤ちゃんをお願いして休むなど、こまめに休息をとることが大切です。
こんなときは医療機関へ相談しよう
新生児が寝てくれないこと自体は珍しくありません。しかし、体調不良が隠れている場合もあるため、次のような症状があるときは医療機関へ相談しましょう。
ミルクや母乳を飲まない
赤ちゃんが眠たい時間にミルクや母乳をあまり飲まないことは珍しくありません。しかし、多くの場合はその後の授乳で飲めるようになります。
いつもより飲む量が少ない状態が続くときや、飲んでも何度も吐いてしまうときは脱水のリスクがあります。
心配な場合は小児科へ相談しましょう。
体重が増えていない
赤ちゃんの体重が増えていない場合は、授乳量が足りているか確認してもらう必要があります。
また、十分に飲めているのに体重が増えない場合は別の原因が隠れていることもあります。
気になるときは小児科へ相談してみましょう。
発熱やぐったりしている
ママが触ってみて熱い、ぐったりしている、ミルクや母乳を飲んでくれないときは病院で相談しましょう。
時々布団など掛物をかけすぎている場合もあります。赤ちゃんが汗をかいているときなどは、掛物を取ってあげましょう。
泣き方がいつもと明らかに違う
私は退院指導で「ママの直感を信じてくださいね」とお伝えしています。
ママは毎日赤ちゃんを見ています。そのため、「なんとなくいつもと違う」という感覚が大切なサインになることもあります。
泣き方や元気さがいつもと違うと感じたときは、遠慮せず病院へ相談してください。
新生児が寝てくれなくても大丈夫
新生児が寝てくれないことは決して珍しいことではありません。
赤ちゃんはまだ昼夜の区別がついておらず、泣くことでしか気持ちを伝えられないため、寝ない時間や泣く時間があるのも自然なことです。
そのため、赤ちゃんが寝てくれなくても「私の育児が悪いのかな」と自分を責める必要はありません。
赤ちゃんが泣いたときは、抱っこをしたり、お腹が空いていないか確認したりしながら、少しずつ赤ちゃんのペースを知っていきましょう。
そして、困ったときは一人で抱え込まず、パパや家族、助産師や医師など周囲の力を借りてください。
赤ちゃんとの生活は、ママも一緒に成長していく時間です。
この記事を読んでいるママの不安が少しでも軽くなり、「大丈夫なんだ」と思ってもらえたらうれしいです。

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