「新生児黄疸」とは、血液中のビリルビンという黄色い物質が増えることで、赤ちゃんの肌や白目が黄色っぽくみえる状態をいいます。
出産後、入院中に黄疸を指摘されたり、退院してから赤ちゃんの顔色が黄色く見えたりすると、「このまま様子を見ていて大丈夫?」「いつになったら治るの?」と心配になるママ・パパもいるのではないでしょうか。
新生児黄疸は、多くの赤ちゃんに見られる生理的な変化です。
一般的には生後1〜2週間ほどで落ち着いていきますが、なかには病気が原因で黄疸が続いている場合もあります。
この記事では、助産師の視点から、新生児黄疸が起こる原因やいつまで続くのか、家庭で確認したい症状、受診の目安について解説します。
赤ちゃんの様子を見守るときの参考にしてくださいね。
新生児黄疸とは?
黄疸とはビリルビンによって肌や白目が黄色くなる状態
黄疸とは、血液中の「ビリルビン」という黄色い物質が増えることで、肌や白目が黄色くみえる状態のことです。
新生児に黄疸が起こりやすい理由
生まれたばかりの赤ちゃんは肝臓の機能が未熟なため、ビリルビンを処理しきれないことがあります
すると、血液中にビリルビンがたまり、肌や白目に黄色みが現れます。
新生児黄疸は生理的によくあるものなので、多くの場合は心配いりませんが、黄色みが強い、赤ちゃんがぐったりしているなど状態に合わせて治療が必要になることもあります。
新生児の黄疸はいつからいつまで続く?
生後2〜3日頃から現れ、生後4〜6日頃にピークを迎える
新生児黄疸は、生後2〜3日頃から目立ち始め、生後4〜6日頃にピークをむかえることが多いです。
退院前後に、赤ちゃんの肌や白目が黄色く見えることに気づくママ・パパもいます。
生後1〜2週間頃に落ち着くことが多い
生後1~2週間ほどで、黄色みも徐々に落ち着いてきて赤ちゃんの元の肌の色に戻っていきます。
生後2週間を過ぎても黄疸が続く場合
生後2週間を過ぎても黄疸が続く場合は、「遷延性黄疸」と呼ばれます。
母乳性黄疸など、治療を必要としない場合もありますが、胆道閉鎖症や甲状腺機能低下症などの病気が隠れていることもあります。
黄疸が続いている場合は、見た目だけで判断せず、小児科で原因を確認してもらいましょう。
新生児黄疸の原因
生理的黄疸
生まれたばかりの赤ちゃんは、赤血球の入れ替わりが活発で、ビリルビンが多く作られます。
一方で、肝臓でビリルビンを処理する機能がまだ未熟なため、血液中にビリルビンがたまり、黄疸が現れます。
母乳性黄疸
母乳を飲んでいる赤ちゃんでは、生後2週間を過ぎても黄疸が続くことがあり、これを「母乳性黄疸」と呼びます。
多くの場合、赤ちゃんの全身状態や哺乳に問題はなく、黄疸が数か月続くこともあります。
ただし、母乳を飲んでいるからといって、すべての黄疸が母乳性黄疸とは限りません。
ほかの病気が隠れている可能性もあるため、医療機関で原因を確認しましょう。
病気が原因で起こる黄疸
黄疸を引き起こす原因には、血液型不適合などによる溶血、感染症、頭血腫や皮下出血、甲状腺機能低下症、胆汁の流れが悪くなる病気などがあります。
原因によって必要な検査や治療が異なるため、赤ちゃんの状態に合わせて確認していきます。
新生児黄疸の症状と家庭での確認ポイント
肌や白目が黄色くなる
黄疸が現れると、肌や白目が黄色っぽく見えるようになります。
肌の色は照明や赤ちゃんの肌色によって判断が難しいこともあります。
白目にも黄色みがないか確認してみましょう。
ただし、見た目だけで黄疸の程度を判断することはできません。
顔から体、手足へと黄色みが広がることがある
黄疸は顔から体、手足へと広がることがあります。
ただし、黄色みの広がり方だけで黄疸の程度を判断することはできません。
赤ちゃんの哺乳や活気、便や尿の色も合わせて確認しましょう。
赤ちゃんの活気や哺乳の様子を確認する
黄疸が強くなってくると、赤ちゃんがいつもと違い活気がなくなってくる、哺乳ができなくなってくるなど、ぐったりしている様子が見られる場合もあります。
赤ちゃんの活気や哺乳状況も合わせて観察してみましょう。
便や尿の色を確認する
黄疸の原因の一つに胆道閉鎖症などの病気があります。
胆道閉鎖症では、便が白っぽくなったり、クリーム色やレモン色のような淡い色になったりすることがあります。
母子健康手帳に付いている便色カードを使って、赤ちゃんの便の色を確認してみましょう。
便色カードの1〜3番に近い色が見られた場合は、胆道閉鎖症などの病気の可能性があるため、早めに医療機関に相談してください。
また、胆道閉鎖症の場合、尿は濃くなり、おむつにはっきりと色がつくようになります。黄疸が強くなると暗褐色(暗い茶色)になることがあります。
これらの症状はすべてみられるわけではないので、気になることがあればいつでも小児科に相談しましょう。
参考:こども家庭庁「胆道閉鎖早期発見のための便色カード活用マニュアル」
新生児黄疸で受診が必要な目安
生後24時間以内に黄疸が見られる
生後24時間以内に黄疸が現れる場合は「早発黄疸」と呼ばれ、病気が原因となっている可能性があるため、速やかな評価が必要です。
入院中であれば、すぐに医師や助産師に伝えましょう。退院後に気づいた場合も、速やかに医療機関へ連絡してください。
参考:MSDマニュアル家庭版
黄疸が強くなっている、または長引いている
生理的黄疸は生後4~6日にピークをむかえ、その後少しずつ改善してきます。
しかし、その後もどんどん黄色みが強くなっている、範囲が広がっている、2週間経ってもまだ症状がある場合は、小児科に相談しましょう。
母乳やミルクを飲まない、活気がない
黄疸が強くなると、赤ちゃんがぐったりしたり母乳やミルクを飲まなくなることがあります。
反応が乏しい、起こしても飲めないなど全身状態が悪い場合は速やかに医療機関に相談しましょう。
便が白っぽい・淡い黄色、尿が濃い黄色や茶色っぽい
便が白っぽい、尿が濃い黄色や茶色っぽい場合は、胆道閉鎖症などの肝胆道系の病気が隠れている可能性があります。
便や尿の色が気になる場合は、すぐに小児科に相談しましょう。
おむつをそのまま持って行くか、写真に撮っていくと状況を伝えやすくなります。
新生児黄疸の検査と治療
経皮ビリルビン測定や血液検査
経皮ビリルビン測定は赤ちゃんの額や胸に光をあてて測定する、痛みを伴わない検査です。
血液検査は、痛みを伴う検査ですが、血液中のビリルビンの数値を正確に測定することができます。
血液検査などで測定したビリルビン値を、出生後の時間や在胎週数、赤ちゃんの状態などに応じた基準と照らし合わせ、光線療法などの治療が必要か判断します。
光線療法
光線療法は、赤ちゃんの肌に青色の光を当てる治療です。
光の作用によってビリルビンを体外へ排出しやすい形に変え、血液中のビリルビン値を下げていきます。
治療中の様子をみて、「日焼けサロンみたい」と話すママもいました。
必要に応じて原因に合わせた治療を行う
黄疸の治療を行いつつ、病気などが原因として隠れていないかを確認していきます。
もし、何か原因が見つかった場合は原因に合わせて治療を進めていきます。
新生児黄疸に関するよくある質問
黄疸があると母乳をやめた方がいい?
A.黄疸がある=母乳をやめないといけないわけではありません。
ただ、黄色みがどんどん強くなる、母乳を飲んでくれないなどの症状がある場合には小児科に相談しましょう。
医師の判断で一時的にミルクも使い、黄疸の様子をみていく場合もあります。
黄疸があると赤ちゃんに影響する?
A.生理的な黄疸であれば一時的な症状ですが、黄疸の原因によっては影響する場合もあります。
何か病気が隠れていて黄疸になっている場合は、その原因を治療しないと影響を与える可能性もあります。
気になる症状がある場合は、早めに小児科に相談しましょう。
退院後に黄疸が強くなったように見えるけど大丈夫?
A.黄色みだけでなく、赤ちゃんの哺乳や活気、便や尿の色も合わせて確認しましょう。
見た目だけでは判断が難しいため、心配な場合は小児科に相談してください。
新生児黄疸は多くの場合自然に落ち着くが、気になる症状は相談しよう
赤ちゃんは生理的な特徴で黄疸になりやすく、多くの場合は自然に落ち着いてきます。
退院後に「こんなに黄色いけど大丈夫かな」と不安に思うこともあると思います。
症状が長く続く場合や他にも気になる症状がある場合は一人で悩まず小児科に相談しましょう。

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